避妊について
1)緊急避妊(アフターピル)について
緊急避妊(EC)とは、性犯罪に遭ったために妊娠の可能性がある場合、避妊しないでセックスしてしまったとき、コンドームが破れたりOCをのみ忘れるなど、避妊に失敗したときに妊娠を防ぐ最後の避妊法です。その代表的な方法が、緊急避妊ピル(アフターピル)を服用することです。
緊急避妊ピルは無防備なセックス後、主に72時間(3日)以内に服用することで妊娠を防止します。日本では主に黄体ホルモン剤が使われています。
なお、緊急避妊ピルでは完全に妊娠を防ぐことはできず、妊娠阻止率は84%というデータがあります。このため、通常の避妊にはOCといった避妊効果の高い避妊法をお勧めします。
月経周期のどの時期に緊急避妊ピルを服用したかによって作用の仕方が異なります。
- 排卵を抑制する
- 排卵を遅らせて受精を妨げる
- 精子が子宮内に入るのを阻止する
などがあげられています。
黄体ホルモン剤を服用すると、不正子宮出血や頭痛、吐き気、疲れやすい、眠くなるなどの月経時にみられる症状が現れることがあります。
アフターピルを内服した後は
アフターピル内服後は90%の女性が2週間以内に月経様出血があります。
- アフターピル内服後は月経様の出血がくるまでは性交渉は控えましょう。
- 内服後3週間以上経過しても月経様出血がなかったり、いつもの月経より出血が少ない場合はご来院下さい。あるいは市販の妊娠反応検査行って下さい。
- 市販の妊娠チェッカーを選ぶ場合は妊娠反応に敏感なhCG25単位のものを用いて下さい。
費用 | \9,000~11,000(税別、別途処方料、診察料がかかります) |
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2)低用量ピル(OC)について
OC(オーシー)はOral Contraceptivesの略で、低用量経口避妊薬や低用量ピルとも呼ばれています。OCの成分は月経周期をコントロールする2種類の女性ホルモン(合成された卵胞ホルモンと黄体ホルモン)です。きちんとのんだ時の避妊効果は99%以上と非常に高く、世界では多くの女性がOCを選択しています。
OCの効果は
- 排卵を抑制する
- 内膜を着床しにくい状態にする
- 子宮の入口(子宮頸管)の粘液を変化させ、子宮内に精子を入りにくくする。
と言われています。
副作用
服用開始後に、吐き気、頭痛、不正出血などの生理の時期に見られるような不快症状が起こる場合があります。軽いものを含めると、半分くらいの方は飲み始めの1~2ヶ月に経験します。
次第に身体が慣れてくると、症状も落ち着くことが多いですが、3か月以上経っても続く時には、医師と薬剤の変更などについて相談することをおすすめします。
血栓症について
ピルの服用による重篤な副作用として、「血栓症(血管の中で血液の塊ができ、血液の流れを止めてしまう病気)」になる確率が若干上がるという報告があります。
低用量のOCに含まれるホルモン量はとても少ないため、基礎疾患のない健康な方であればそれほど心配することはありませんが、高度な肥満や喫煙の習慣のある人はリスクが高まりますので注意が必要です。
万一、服用開始後に以下のような異常が出た場合は、血栓症の兆候の可能性もありますので服用を止め、医師にご相談ください。
- ふくらはぎのむくみや痛み、手足のしびれ
- 押しつぶされるような痛み、鋭い胸の痛み
- 動悸、息切れ
- めまい、激しい頭痛、目がかすむ、舌がもつれる
費用 | \2,500/シート(別途処方料、診察料がかかります) |
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3)IUS(子宮内避妊システム)
IUSは子宮内膜(赤ちゃんのベットになるところ)に作用して内膜が薄くなり、受精卵の着床(妊娠の成立)を妨げたり、子宮の入口の粘液を変化させて精子が腟の中から子宮内へ進入するのを妨げたりすることで避妊効果を発揮します。
IUSが子宮内に装着されると、付加された薬剤(黄体ホルモン)が子宮の中で少しずつ放出されます。この黄体ホルモンは子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜はうすい状態になります。そのため、IUDとは異なり、生理の量が少なくなります。副作用としては少量の出血が持続することがあります。
未出産の方への挿入時に少し痛みがあることがあります。
費用 | IUS \58,000(税別、別途診察料がかかります) |
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1)~3)上記いずれも診察時間に来院の上、医師にご相談下さい。
但し、緊急避妊(EC)を希望され、当院が2日以上休診の時は日中に電話でご相談下さい。